レコーディングミックス講座

【序章】データやり取りの作法

注意点④
エフェクトがかかったトラックの対処

プラグインが入っているトラックの場合


 データを書き出す場合の悩みとして質問が多いのは、『プラグインやエフェクトが付いているトラック』をどのように処理するのか、という問題です。

まずはEQやコンプなどのプラグンが入っている場合、
基本的には、すべてのプラグインをオフにした「素」の状態で渡すのが原則です。

まずは「新規バージョンの保存」からファイルの書き出し用に新しいセッションを作りましょう。

___StOne_新規バージョンの保存.png

こうすることで、完成したセッションを壊さずに書き出し作業ができるようになります。

__<Studio One 2 のミキサー画面>
___StuOne_Plugあり.png

こういったEQやコンプ類、リバーブセンドなども全てはずします。


___StuOne_Plugなし0dB.png

そして、フェーダーを0dBに戻して書き出します。

エフェクトが付いたトラックの場合


 この問題については特にセオリーはありません。
トラックを制作している人が「こだわりを持って付けたエフェクト」はずすことのできない「フィルターエフェクト」などはエフェクト付きで書き出すのが良いでしょう。
_

  • 例)
    • ディレイがあって初めて成立するようなギターフレーズ
    • フィルターオートメーションを書いているシンセトラック
    • 自分の加工がすごく気に入っているトラック

_______etc…

渡す側にとって一番悩ましいところは3番目の「自分の加工が気に入っている場合」ですよね。
これは受け取る側、すなわち「MIXする人間にとってどうなのか?」という問題もからんでくるので、判断が非常に難しいところです。

こんな時は、プラグイン等をはずした「素」の状態のものと「エフェクト付き」の2種類書き出して、MIXする人にチョイスしてもらう、というのがベストでしょう。

___Effありなしのファイル書き出し.png

MIDIトラックについて


MIDIトラックは全ての音源をオーディオデータに書き出して渡しましょう。

MIDIトラックがない場合でもテンポ情報やマーカー情報などをエクスポートできる場合があるので、
『MIDIをエクスポート』を行い、やり取りする相手に渡すようにしましょう。